二次方程式(Part2)
難易度☆(低:基本的な展開、因数分解ができる程度の方)
はじめに
皆さんこんにちは!
「二次関数」Part2です。Part1を見ていない方は是非そちらも見てください!
この記事では二次方程式について解説していきます。
前提知識
基本的な展開、因数分解が分かれば大丈夫です。二次方程式について
二次方程式は $$ax^2+bx+c = 0 \quad (a \neq 0)$$ と表されます。
n次関数は最大でn個の実数解を持つため、この方程式の実数解は高々2個となります。
具体的な解を求めることはPart4で行いますが、ここでは方程式の解は何を指しているのか?を重点的に解説していきます。
方程式\(ax^2+bx+c = 0\)とは、\(y = ax^2+bx+c\) と \(y = 0\)つまりx軸との交点に関する式です。
※この考え方は非常に重要です。方程式は代数学であり、それが図形という幾何学と結びついています。
このような分野の切り替え が非常にわかりにくく、思いつくことが困難であるものは「難しい問題」と認識されます。
具体的に見てみましょう。例えば\(y=x^2-4x-5\)のグラフは下図のようになります。
\(x^2-4x-5 = 0\)のxの実数解とは交点のx座標のことであり、 グラフを見るとx軸と2点(-1,0),(5,0)で交わっていることが分かります。
よって、\(x^2-4x-5 = 0\)の実数解は2つあり、その解はx=-1, 5であることを示しています。
x軸と1点で交わる場合、つまり放物線とx軸が接しているとき、「二次方程式は重解を持つ」と言います。
しかし、放物線とx軸が交わらないときもあります。そのとき、「実数解は存在しないが解は存在する」という状態になっています。次は解の種類について見ていきましょう。
二次方程式の解の種類
ここまで「実数解」という言葉を使ってきましたが、ただの「解」とは何が違うのでしょうか。
下のグラフを見てください。
この放物線には解が無いように見えますが、実際には異なる解が2つ存在しています。
その2つの解は実数ではなく複素数【1】であるため、x軸と交わっていないように見えています。また、この解のことを虚数解と言います。
しかし虚数解であっても\(y = 0\)と交わっていることには変わりありません。そのことを確認してみましょう。(※ここからは、「ふーん、そうなんだ」程度に見てもらって構いません!)
赤のグラフは先ほどの放物線です。その頂点で接している水色の放物線は、\(y = ax^2 + bx + c\)のyが実数となるような複素数値x(虚部\(\neq0\))を入れたグラフです。
赤のグラフはxに実数を代入しているため、\(y = ax^2 + bx + c\)の値は必ず実数となります。
\(0\)は\(0+0i\)とも表せますから、yの値が実数値となるようなxの軌跡、つまり先ほどの赤または水色のグラフいずれかの上に必ず、yが0となる点が存在します(つまり、\(y=0\)となるには\(y\)の虚部が\(0\)であることが必要であり、その点の集合が上のグラフとなる)。
2次元ではy=0はx軸、つまり直線を表していましたが、3次元であればy=0は平面を表します。なので、y=0の平面は水色のグラフと交わり(黄色の円の部分)、その交点が解となります。
このことについては詳しく解説するページを作る予定ですのでお待ちください。
(注)【1】複素数は実数を含んでいるため、正しくは「虚部が0でない複素数」。以下では、複素数解といった場合は虚部が0でない複素数の解とする。
まとめ
- 二次方程式は
ax^2+bx+c=0 (a≠0)の形をしている。 - 解とは、対応する放物線とx軸(またはxの実部をx軸・虚部をz軸とした3次元空間内における、y=0の平面)の交点のx座標を意味する。
- 交点が2つあれば実数解は2個(1つなら重解)、交点が無ければ実数解は存在しない。
- 交点が無い場合でも、複素数解が存在する(解そのものが消えるわけではない)。
- 代数と幾何は結びついており、式の解釈を図形的に考えることが重要である。
Part1,Part2では、二次関数の性質(特に\(x^2\)の性質)の観点から二次関数を分析してきました。
次回のPart3からは、二次関数を数式から分析していきます。